文学に描かれた花見
花見は古くから日本人に愛され、文学にも登場してきました。ここでは花見の歴史を辿っていきましょう。花見は奈良時代の貴族の行事が起源だと言われている。奈良時代には中国から伝来したばかりの梅が鑑賞されていましたが、平安時代に桜と変わってきました。その存在感の移り変わりは歌にも現れており『万葉集』において桜を詠んだ歌は40首、梅を詠んだ歌は100首程度でしたが、平安時代の『古今和歌集』ではその数が逆転。また「花」といえば桜を意味するようになるのもこの頃からです。『日本後紀』によると、嵯峨天皇が812年に神泉苑にて「花宴の説」を催しました。これが記録に残る最初の桜の花見だとの説があります。831年から場所は宮中に移り、天皇主催の定例行事として取り入れられていきました。その様子は『源氏物語』「花宴」に描かれる。『源氏物語』には藤を鑑賞する宴会についての記述もありますが、この頃には「花」はほぼ桜と同義に使われるようになっていたためか桜以外の花を観賞する宴が花見、花宴といわれることはありませんでした。